保育園では年間行事計画に沿って
看護師の業務もだいたい決まっています。
一例として、今年度の
私の園での1年間をご紹介します。
4~5月
とにかく書類
☆アレルギー・喘息などの生活管理指導表
☆与薬依頼書(保護者記入)
☆緊急連絡先(体調不良時に電話)
☆応急処置の同意書(絆創膏使っていいですか?など)
などなど、看護師が管理している書類って結構たくさんあります。
進級した子たちの書類は、
3月中に回収しておくんですが、
新入園児の書類は、
4月中に回収、確認をするので、
ひたすら書類を整理する毎日です。
保育に入ることが多い
4~5月は、新入園児が慣れるまで
泣いたりごはんを食べなかったり
なかなかお昼寝をしなかったりと
保育の人手が足りない状況なので、
看護師も保育に入ることが多いです。
この時期に新入園児の名前を覚えたり、
性格や好きなものなどを把握しておくと、
日々の健康観察や体調不良時対応がスムーズになります。
保護者会、クラス懇談会
保護者やこどもたちが
みんなで集合する行事があり、
保護者の前で、保健に関するお願いとか
今後の予定などを話すことがあります。
ただ、保育士さんがメインなので、
看護師は会場設営や保護者の誘導など、
裏方作業がメインになることが多いです。
食物アレルギーなど基本的な疾病対応を職員に指導
新入職員がいたり、
去年教えてもらったけど忘れましたっていう職員もいるので、
毎年職員会議などで、
☆食物アレルギー
☆けいれん
☆救急救命
☆嘔吐下痢の処理
は必ず資料配布+口頭で伝えるようにしています。
他にもニュースで話題になっている
ワクチン関連の情報だったり、
流行感染症などは適宜伝えています。
6月
歯磨き指導
準備物品は自治体の歯科医師会から
事前に郵送でお知らせが来るので、
それを見て用意しています。
歯科衛生士さんが主体で実施するので、
説明を聞き逃している子がいないか、
歯ブラシなど準備物品を忘れてる子がいないか、
こどもたちの様子を見ながら、後方支援をしています。
歯科衛生士さんが話している内容は、
☆歯みがきをしないと虫歯になる
☆歯ブラシの持ち方
☆歯をみがく時のブラシの当て方
上記にプラスして、
赤い色素を歯につけてうがいをしたら、
歯垢残りが赤く見えるというのもやっていますが、
コロナ禍ではお話しだけになっています。
歯科健診
歯科健診は、歯科医師と歯科衛生士が来て
診察と記録をしてくれるので、
看護師は、こどもの名前を歯科医師に伝えたり、
泣いている子どもをなだめたりしています。
健診結果は、自治体や保護者に報告しないといけないので、
記録に書かれている内容が理解できないといけません。
病院では、歯科の知識って全く必要なかったんですけど、
保育園では看護師に必要な知識です。
歯科健診の詳細は、ブログ記事をご参照ください。
視力検査
特に時期は決まっていないのですが、
6月ごろが多いです。
看護師が行うスクリーニング検査なのですが、
弱視の早期発見・早期治療が目的です。
検査をスムーズに行う技も必要ですが、
結果をどう保護者に伝えて
眼科受診を促すかが重要なポイントです。
詳細はブログ記事をご参照ください。
7~9月
プール・水遊び
プール当日は保育士さん達がほぼやってくれるのですが、
看護師は事前準備の方に力を入れないといけません。
☆プールの設備チェック(破損部チェックなど)
☆安全管理(監視専門の職員配置、急変時対応など)
☆遊離残留塩素濃度の基準と測定方法
☆プール当日の気温と水温
☆保護者にプールできない場合のお知らせ
全く分かりません!っていう場合は
各自治体が勉強会を開いていたりするので、
一度参加しておくといいです。
私の場合は、
自治体から園長宛に勉強会のお知らせが来るので、
園長経由で申し込みました。
意外と重要なのが保護者への連絡で
とびひやアトピーの悪化でプールに入れない事や、
鼻水、咳などの軽微な体調不良でもプールに入れない事など
事前に伝えておかないと、
「うちの子だけプールに入れてもらえなかった」
とクレームにつながるので、
事前の保護者説明はしっかり行っています。
詳細はブログ記事をご参照ください。
熱中症予防策
2018年に小学1年生の子が
課外活動中に熱中症になり死亡した事件があって以降、
保育園でも熱中症対策がより厳格になっています。
→ニュースサイトの記事はこちら
うちの園では、毎日暑さ指数を確認して、
暑さ指数(WBGT)31℃以上(危険)の時は、
外遊び(プール含む)は禁止になっています。
そのため、猛暑が続く日は
ずっと室内での保育になります。
保護者から外遊びが少ないというクレームが来ることもあるのですが、
命に代えられないので、室内で運動遊びをしたりして
保育士さん達が工夫してくれています。
他には一般的な熱中症予防策を地道に続けています。
→一般的な熱中症予防対策は環境省ホームページをご参照下さい。
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_pr.php#keypoints
時々、熱中症予防策を
間違って覚えてしまっている人もいるので、
自分は間違っていないか以下のブログ記事でご確認下さい。
10月
刷掃指導と歯科健診
うちの自治体では年2回刷掃指導と歯科健診があるので、
6月同様に実施しています。
インフルエンザ予防接種のお知らせ
10月から予防接種が受けられるようになる病院が多いので、
保健だよりでお知らせして、
「予防接種しました」と報告があったら
個人記録の予防接種歴に記載しています。
基本的に保育園は、予防接種推進なのですが、
保護者の中にはワクチン忌避といわれる人もいるので、
情報は伝えるけど強制しないというスタンスです。
インフルエンザワクチンもそうですが、
予防接種の正しい知識を詳しく知りたい方は、
ブログ記事をご参照ください。
11~1月
感染症罹患者が多くててんやわんや
インフルエンザだと、
早ければ、11月から発症者が報告されます。
発熱など体調不良の子が増加するので、
保健室にこもりっきりになることもあります。
この時期に限ったことではないですが、
感染症と診断された子がいたら
園内掲示と保護者お知らせメールで伝えています。
よく質問されるのが、
「どういう状態になったら登園してもいいの?」
「食欲がなさそうだけど元気だから登園していい?」
など登園基準についてです。
医師記載の登園許可書が必要なものは、
許可書に詳細が記載されているのですが、
そうでない感染症の場合は、
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」に沿って回答しています。
(ガイドラインは全文無料で閲覧できます。)
ブログ記事でもガイドラインの解読をご紹介しています。
2月
次年度入園の内定者決定(面談、健診)
うちは認可園なので、自治体から2月に
内定者一覧が届きます。
その名簿に基づいて、入園前の面談、健診を行います。
看護師は、
アレルギーなど慢性疾患がないか、
医療的な支援が必要な子はいないか
ストレスで嘔吐しやすいなど、
特別な配慮が必要な子はいないか など
健康面を中心に情報を収集します。
入園前健診では、
ほとんど嘱託医が行うのですが、
看護師は会場設営と一般的な診察介助を行う程度です。
子どもの好きなキャラクターを置いておいたり、
適宜親子に声をかけたりしています。
3月
次年度準備(主に書類)
まだまだ、保育園の書類は紙が多いので、
個人の健診記録や身体測定記録など
次年度分を紙で準備しておかないといけません。
結構時間がかかるので、
次年度入園の内定者が決まった時点で作り始めます。
また、次年度も引き続き慢性疾患の管理が必要な子は
医師からの指示書を更新してもらいます。
今年度の書類整理
自治体からの監査が入ると、
保健関連の書類は、必ず確認されるので、
すぐ取り出せるように整理整頓して保管しておきます。
最近ICT化が進んできて、
保健日誌や身体測定一覧などは
データで残すことができるので、
すごく楽になったのですが、
内科健診記録や指示書、同意書などは
相変わらず紙なので、
ひもで縛って保管用段ボールに詰めるという苦行が毎年待っています。