夏のプール・水遊びでの事故は重症になりやすいですし、
水質管理は感染症拡大予防にも重要です。
点検・掃除・水質の測定など
保育士さんと一緒に行うことがあるので
看護師も勉強しておかないといけません。
園によっては、夏になる前に
心肺蘇生や水質管理について
看護師から保育士向けに研修をする場合もあるため、
人に説明できるくらい理解しておきましょう。
事前準備
整備点検
うちの園は設置されたプールがなくて、
大きめのビニールプールを使っています。
なので、プール設備の点検については
研修会で教えてもらったくらいの知識しかありません。
プールのある園は、
必ず点検マニュアルがあるので確認しておきましょう。
排水溝に子どもが挟まれたり、
ボルトやねじが緩んでいて
ケガをしたりなど、
ある程度ケガをしやすいポイントや
確認しないといけない箇所は決まっているので、
図面で設備がどうなっているのか確認が必要です。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
実際プールを使用している園の看護師さんに話を聞くと、
設備面の点検よりも、プールサイドで走って転倒するとか
水中でこども同士ふざけ合って、溺れかけるみたいな
こどもが起こすケガ・事故の対応がメインのようです。
![看護師](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/04/7ef8516b8e5e07b6bc57a1a1dd7cb1bd.jpg)
プール設備の点検って、毎年業者さんが来て
やってくれることも多いですよね。
ただ、使用中に壊れることもあるので、
毎日プールを使う前の点検事項は確認しておかないといけないですね。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
あと、うちの園では
毎年6月くらいに水遊び道具を倉庫から出してきて、
天気のいい日に洗って天日干ししておくんですけど、
私はその時に破損しているものや
こどもが触ると危険・不衛生なものは
園長や主任に確認して捨てています。
![看護師](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/04/7ef8516b8e5e07b6bc57a1a1dd7cb1bd.jpg)
物品洗浄・乾燥とかって
保育士さんたちの手が回らないこともあるので、
環境整備を兼ねて看護師がやることもありますよね。
その時に、破損部位がないかとか
コケが生えているなど不衛生なところがないか
チェックしやすいですよね。
水質管理の物品準備
残留塩素濃度の測定
プールの水を介して感染症が広がらないように、
残留塩素濃度を定期的に測定しないといけません。
そのための簡易測定キットがあります。
うちの園では画像の測定キットを使っているのですが、
尿検査で使われる細長い試験紙タイプもあったりと
簡単な検査方法があるので、
毎日続けられる方法を相談した方がいいと思います。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
うちの園では、以前測定器が
細長い容器に水を入れたら、粉を入れて、
蓋を閉めてから測定機にセットして何分か放置…
みたいな面倒くさいの塊だったんです。
![看護師](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/04/7ef8516b8e5e07b6bc57a1a1dd7cb1bd.jpg)
遊離塩素濃度が0.4~1.0mg/L(ppm)って知ってても
測定するのが面倒くさいと続けられないですよね。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
塩素って、有機物ですぐ濃度が低下するので、
頻繁に測定しないといけないんです。
簡単にできることは重要ですね。
水温と気温
うちの自治体では
気温+水温≧50℃
が水遊びの基準とされています。
うちの園では、
水に浮かべておいて水温測定できて、
多少子どもが触っても破損しないような
お風呂用温度計を使用しています。
外気温は、
環境省から発表される暑さ指数も確認していますが、
シンプルな温度計で外気温を測定しています。
ほこりとか水とかで
壊れる可能性も高いので、
高機能じゃない安い温度計の方が使いやすいと思います。
何で温度管理に厳しいかと言うと
低体温症を危惧して
あまりにも寒い日は
プール活動に適さないですよっていうことなので、
温水プールとか自治体の基準によって
多少違いがあると思います。
事前学習・研修
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監視体制
こども家庭庁のガイドラインで「プール活動・水遊び」について触れられています。
保育士さんたちは、
どうしてもこどもの様子が気になって
監視中でもお世話をしようとするんですけど、
監視に専念することが重要です。
こどものお世話は、他の職員が行い、
監視をしている職員は、
プール内の異常がないかに注目できるようにしないといけません。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
こどもに限ったことじゃないですけど、
鼻と口がおおわれる水深があれば
溺れる危険性があるので、
水深が浅いから安心ではないです。
![看護師](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/04/7ef8516b8e5e07b6bc57a1a1dd7cb1bd.jpg)
水深10㎝以下でも溺れる
とか
ふざけてるのかと思っていたら溺れていた
とか事故の事例集を見ておくと、
どんな危険があるのか分かりやすいですね。
救急処置・対応
プールに特化したことじゃないんですけど、
基本的な心肺蘇生法のレクチャーや
救急車の要請方法など
事前に確認しておくことが重要です。
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…とここまでは一般的な
救命講習でも教えられるのですが、
そもそも子どもが溺れる様子って想像できてます?
溺れて苦しいから
バシャバシャ波打って
すぐに分かるでしょ?って思ってませんか?
教えて!ドクターのパンフレットが詳しいのですが、
子どもは本能的溺水反応と言って静かに溺れます。
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実際溺れている子を発見するのって
人数確認をこまめにしたり、
「あれ?あの子潜ってから浮いてきてた?」
っていう監視専属の人がいないと
発見するのが難しいんです。
他にも、
プールで溺れることはなくても、
熱性けいれんを起こした園児もいるので、
心肺蘇生だけじゃなくて、
全般的なアセスメントだったり、
体調不良児への対応を保育士さんと一緒に
復習しておく必要があります。
プールに入れないのはどんな時?
こどもの体調が悪かったり、
皮膚疾患があったりすると
プール・水遊びができないことがあります。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
「体調が悪い」「皮膚トラブル」って
ふわっとした条件しか保護者や職員に伝えていないと
人によって「悪い」「トラブル」が
どの程度の状態を示しているのか認識が違うので
トラブルのもとになります。
![看護師](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/04/7ef8516b8e5e07b6bc57a1a1dd7cb1bd.jpg)
うちの園では、
とびひはプール禁止
水いぼは覆っていればOK
鼻水・咳が出る時は禁止
など、項目ごとに明確な基準を伝えています。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
保育士さんからも、よく質問されるので、
どういう状態がプール・水遊び禁なのか
一覧表にまとめておくといいですね。
皮膚状態については、
学会からの共同声明を基準に判断しています。
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![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
体調不良の評価については、
園ごとに違っているんですけど、
ちょっと厳しめくらいにしている園が多いようです。
当日の注意
②遊離塩素濃度を測定しているか
③気温+水温で50℃以上か
④①~③を記録しているか
①~③の記録は、
特に決まった様式がない自治体も多いのですが、
うちの法人では、
↓こういう感じの様式を使用しています↓
![](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2022/10/image-3.png)
記録することが目的になってしまわないように、
必要事項だけに絞ったシンプルなものがお勧めです。
記録が面倒だと書かなかったり、
適当に書いてしまうこともあるので。
各園によって
当日の看護師の役割は違うのですが、
監視をする看護師もいれば、
子どもがすぐプールに入れるように
準備全般をしている看護師もいるそうです。
私は記録を確認しているくらいですが、
時々抜き打ちで①~③が出来ているか
見に行ったりしています。
![みさき](https://www.hoikuennurse.com/wp-content/uploads/2020/03/かぼちゃ.png)
基本的には、
保育士さんだけで十分対応できるように
事前準備をしておけば、
当日看護師がやることってそんなにないです。
(保育要員であれば別ですが。)