「こんな小さい子でも被害者になるの?」
「え?うちの子が加害者?」
など、当事者になってみて戸惑う保護者は多いようです。
どんなに小さい子でも
性暴力の被害者・加害者になることがあります。
完璧に予防することは難しいですが、
小さい頃から「性教育」をしていくことで
一定の予防効果があるとされています。
保護者世代は、性教育を受けてきていないので、
子どもに話すのが気恥ずかしかったり、
保護者自身も不正確な情報しか持っていないことも多いですよね。
まずは、大人が正しい情報を知って
子どもに伝えていけるようにしましょう。
まずは知ろう!子どもの性被害の現状

令和2(2020)年は
児童買春事犯、児童ポルノ事犯の検挙件数の
どちらも前年に比べ減少しています。
ただ、件数を読むときに気を付けないといけない事は、
検挙数や発覚件数よりも
実際は、はるかに多い件数だと考えていた方がいいです。
それは、被害児の心理として
「自分に落ち度があったから被害にあったのでは?」
「正直に話すと、うわさになったり叱られたりするかも…」
など考えたり、
そもそも自分が被害にあっていることに気づけなかったり、
どう助けを求めていいか分からない場合も多く
被害件数として表に出てこないことが多いからです。
子どもの性被害について詳しく知りたい方は、
NHKの特設ページをご覧ください。

特設ページでは、
など、今までの性被害・加害のイメージが変わります。
日本の性教育事情
海外の性教育と比較して
日本は遅れていると指摘されていますよね。
保護者世代は、
学校の保健体育の授業で受精について習ったり
女子にだけ月経の話があったり…。
とても包括的な知識ではなかったですよね。
そのせいか、性教育って
何かおおっぴらに話してはいけないもの、
恥ずかしいものっていう認識が強いんですよね。
本当は性教育って
自分の体をよく知り、
相手のことも尊重できるようになるための教育なんです。
文部科学省も、
何を教えたらいいのか分からない大人向けに、
年代別に分かりやすい教材を無料公開しています。
例えば、幼児には
プライベートゾーンを教えましょうと提案されています。

また、最近は日本も性教育に力をいれ始めています。
例えば、内閣府、警察庁など複数の省庁が合同で
「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」
というのを開催しています。
何をしているのかと言うと、
令和2~4年度までの3年間を、
性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」として、以下の4点に取り組んでいます。
①刑事法の在り方の検討
②被害者支援の充実
③加害者対策
④教育・啓発の強化
(全文はこちら)
そんな感じで日本全体で頑張っているので、
テレビや雑誌で特集が組まれていたり、
性教育関連本などもたくさん出版されています。
今ならたくさん教材もあるので
手軽に性教育を始めやすい環境が整っています。
具体的な性教育方法を紹介(幼児)
私が保育園児たちを対象に
どのように性教育を行っているのかご紹介します。
特に正解はないのですが、
男女の体の違いや赤ちゃんが生まれる過程などよりも
「お友だちと楽しく遊ぶためのルールを覚える」
という目的で性教育をした方が、
幼児の学ぶモチベーションにもつながるのではないかと感じています。
人体に興味がない子が
体の構造を教えますよ、と大人から言われても
ま~びっくりするくらい興味を持ってくれません(泣)。
○○ちゃんと一緒に遊ぶために必要な知識、と言われると
俄然、興味を持って聞いてくれるようになります。
教材を手作りしてもいいのですが、
絵本を読み聞かせしつつ、
途中で園児に質問したりして進めています。
↓使用している絵本はこちら↓
3歳以上が対象なので、
年長さんにはちょっと内容が幼いかな?
という印象はあります。
なので、ところどころ追加情報を入れていくのですが、
●特に大切なのは水着で隠れる部分(プライベートゾーン)
●プライベートゾーンは人に見せたり触らせたりしてはいけない
●人から嫌なことをされたら「嫌」と言っていいし、「嫌」言われたらすぐに止める
●嫌な事をされたら、すぐに大人に相談する
という事は、何歳児であっても共通して伝えています。
年長さんになると、絵本にプラスして、
「ウサギさんが、クマさんのパンツを無理やり脱がそうとしてたらどうする?」
など状況設定問題をいくつか用意して、
挙手で答えてもらったりしています。
子どもの返答は、
「ウサギさんにダメだよって言う」とか
「先生にクマさんがいじめられてるって言いに行く」
というものが多いです。
失敗談としては、
年長さんになると「裸」「パンツ」などのワードが
恥ずかしい、連呼してみんなを笑わせたいなど
複雑な心境が芽生えている事が多いので、
大人から見ると、ふざけて騒ぎ出している状況になりました。
なので、一般的に推奨されている通り、
3歳児の頃から徐々に性教育を行った方が、
集団で指導する場合、変なお祭り騒ぎにならなくて済むのではないかと思います。
性教育をする前に参考になるサイト

子どもの年齢・性別に合わせた情報検索ができます。
性教育にお勧めの動画・本がたくさん紹介されていたり、
性に関するお悩みQ&Aがあったりと内容が充実しています。
●ピルコン

いろんな年代の方へ性教育イベントを行っている団体です。
思春期以降の性についての情報が多いので
大人が見ても、へ~そうなの?ってびっくりする情報があります。

性教育って何から始めればいいのか分かりません!
という人向けに、概要がまとまっています。
性教育=性交渉を教えること と勘違いしている人必見です。

面白味が全く感じられないタイトルなので
閲覧意欲が失せてしまいそうなのですが、
中身はちゃんと分かりやすい教材になっています。
Youtube動画もあるので便利です。